【第2回 月例会レポート】かめやGroup 亀原社長に学ぶ、地方発・多店舗展開で「10年成長を続ける」鍵

第2回月例会の集合写真
第2回月例会にご参加いただいた皆さまと📸

先日、「10年続く飲食店経営協会」第2回 月例会を開催しました。今回も会場いっぱいに経営者の皆さま、そして飲食店をサポートする立場の皆さまにお集まりいただき、終始あたたかく、そして熱量の高い時間になりました。😊

ご参加いただいた皆さま、告知にご協力いただいた皆さま、そして「今回は都合がつかなかったけれど次回はぜひ」と声をかけてくださった皆さま、本当にありがとうございました。第1回が大変ご好評をいただき、第2回は初めてお越しになる方も多い回となりました。今回は「メモを取る手が止まらない」という声をたくさんいただきましたので、できるだけその空気のままお届けできるよう、レポートにまとめてみます。

目次

「10年続く店」をつくるために

この会は、いかにして飲食店経営を末永く続けていくか——をテーマに掲げた、経営者の方とサポート業の方が垣根なく学び合う場です。2026年5月に立ち上がったばかりの、まだ生まれたての協会です。

私たちが目指しているのは、10年以上、成長し続ける飲食店経営をサポートできるプラットフォームになること。そして大切にしている理念が、「みんなで勝つ」ということです。一人で抱え込むのではなく、うまくいった人の知恵をみんなで分け合う。そのために、毎回の月例会では次の3つを大切にしています。

  • 困っているときに、経営のやり方や必要な知識を知れる場になること
  • 今までの考え方から「進化」すること
  • 過去の成功体験から、一度抜け出してみること

「うまくいっているから、このままでいい」——その安心が、実は10年続かない理由になってしまうことがあります。だからこそ、成功している経営者の最新の考え方に触れ、自分の当たり前をいったん疑ってみる機会を、毎回ご用意したいと考えています。

そして第2回のテーマは、「地方発・多店舗展開で長期成長を続ける鍵」。人口も、家賃も、客層も、都市とは条件が違う地方で、どうやって多店舗を成り立たせ、しかも長く成長させていくのか。これはまさに、多くの飲食店経営者が一度はぶつかる大きなテーマです。

第2回のゲスト ——「かめやGroup」亀原社長

亀原社長を迎えてのパネルディスカッション
かめやGroup 亀原社長を迎えてのパネルディスカッション。

今回ゲストとしてお迎えしたのは、長野県・松本を拠点に、たこ焼きの物販業態から飲食店、横丁まで幅広く多店舗展開されている、かめやGroup 代表取締役 亀原利彦(かめはら としひこ)社長です。

長野という地方から出発し、直営・フランチャイズを合わせて全国に多店舗を展開。長きにわたり成長を続けてこられた、まさに「地方発・長期成長」を地でいく経営者です。実は、めったに勉強会や講演に出てこられない方。その亀原社長から直接お話を伺えるとあって、会場の期待も高まっていました。😊

進行は、理事メンバーが亀原社長に次々と質問を投げかけるパネルディスカッション形式。皆さんが本当に聞きたい「現場の本音」を、一問一問その場で掘り下げていくスタイルです。亀原社長は最初こそ「学歴も資格も何もなかった自分が……」と謙遜されていましたが、話が現場のことに及ぶと、ひとつの質問から次々と本質的な答えがあふれ出し、聞いている私たちのほうが前のめりになっていきました。

原点は「お祭りの露店」——社員を守るために店を持った

まず印象的だったのは、亀原社長のスタートがお祭りの露店(祭事)でのたこ焼きなどの物販だった、というお話です。きっかけは、若い頃に手伝いで通っていたスーパーの店頭で、お祭りに来ていたある屋台が驚くほど売れているのを目にしたこと。「これはおもしろい」と感じて、たこ焼きの商売に飛び込んだそうです。

当時はまだ自分の店を構えず、スーパーの店頭やお祭りに出て商売をして、片付けて帰る。そんな日々を続けていました。ところがこの商売、夏場は暑くてなかなか売れないため、ある時期はほとんど仕事がなくなってしまう。働きたくても働けない季節がある——。これは、一緒にやる仲間にとっても不安定な状態でした。

そこで亀原社長が考えたのが、「一緒に働いてくれる仲間を、一年を通してちゃんと雇い続けたい」ということ。そのためには、季節に左右されない、腰を据えた場所が要る。「店なんて、ずっと縛られるから持つものじゃない」と思っていたそうですが、人の働く場所を守るために店が必要だ——。そう腹をくくって、お世話になっていたスーパーの声かけをきっかけに、フランチャイズに加盟して1号店を出すことになります。

ここから何を学べるか

注目したいのは、出店の動機が「自分が儲けたいから」ではなく「一緒に働く人のため」だった点です。この「人を守るために決断する」姿勢は、後の社内独立やのれん分けの仕組みにもまっすぐ通じています。「誰のための一手なのか」を自分に問い直す——そこに、長く続く経営の芯が宿っているのかもしれません。

撤退、そして「身軽さ」へ ——コンテナ型という発想

フランチャイズに加盟して出した1号店は、大型スーパー内のテナント型。大きな初期投資をかけずに始められたといいます。そこからスーパー業態を少しずつ増やしていったのですが、ここで大きな試練が訪れます。出店していたスーパー自体が、撤退してしまったのです。

当然、自分たちの店も続けられなくなり、損失も出ました。けれど、このとき亀原社長が真っ先に考えたのは、損得ではなく「スタッフの働く場所をどう守るか」でした。中で営業できないなら、外に出よう——。そう決めたときに力を発揮したのが、コンテナ型の出店という発想です。

「初期投資をかけすぎると、ダメだったときに持って帰れない。でもコンテナなら、合わなければ別の場所へ動かせる」。重い設備を作り込むと、その場所に縛られてしまう。動かせるかたちにしておけば、判断を間違えてもやり直せる——。この「身軽さ」こそが、出店リスクを最小限に抑える知恵でした。実際、コンテナはトラックに載せ、別の立地へ運んで再出店することもあったそうです。

ここから何を学べるか

飲食店の出店では、つい「いい物件だから、しっかり作り込もう」と考えがちです。けれど亀原社長の発想は逆で、「間違えても撤退・移動できる前提」で店を設計していました。「うまくいかなかったら、どうたたむか」を最初に決めておく——その退路があるからこそ、思い切って挑戦の数を増やせるのです。

「商売は、店前通行量が命」——立地を読み切る

熱弁する亀原社長
身振りを交えて熱く語ってくださった亀原社長。

亀原社長が、この日いちばん繰り返し強調されたのが、「商売は、店前通行量が命」という言葉です。お店の前を、一日に何人の人が通るか。それこそが売上を決める、という考え方です。

たとえば、駐車場から店までの動線を考えたとき、お客さまが歩いてくる側に店を出すか、反対側に出すか。たったそれだけで、売上が大きく——場合によっては倍ほども——変わってしまう。だからこそ人の流れを徹底的に読み、ほんの数メートルの立地の差にこだわるのだ、というお話でした。

そしてこの「立地を読む目」は、最初から備わっていたわけではありません。物販のたこ焼き店を展開する過程で、亀原社長は数えきれないほど出店と移動を繰り返したそうです。「3分の2は失敗だった」と率直に振り返っておられましたが、その膨大な試行錯誤があったからこそ、「店前通行量がすべて」という勘所にたどり着けたといいます。

ここから何を学べるか

「いい店をつくれば、お客さまは来てくれる」と信じたくなりますが、亀原社長の優先順位は明確でした。商品やコンセプトよりも、まず「立地」。よく失敗するお店は、契約できる物件を先に決めて、そこに売りたいものを後から込めようとする。本来は順番が逆で、立地の特性を先に読み、その場所で売れるものを設計するのです。自店の前を「お客さま目線」で歩いてみるだけでも、見えてくるものがあるはずです。

最大の転換点 ——スーパーからホームセンター・モールへ

亀原社長が「いちばんのターニングポイント」として挙げられたのが、出店先を「スーパー」から「ホームセンターや郊外モール」へ移していったことでした。

もともと、たこ焼きのような物販はスーパーで売るものだと思い込んでいたそうです。ところがある時、ホームセンターから出店の話が来た。「売れるわけがない」と半信半疑のまま出してみたら——これが、驚くほど売れた。なかには、その後も長く続いている繁盛店もあるといいます。

「日常」と「非日常」の決定的な違い

では、なぜスーパーとホームセンターで、これほど結果が変わるのか。亀原社長の説明が、とても鮮やかでした。

スーパーは、週に何度も通う「日常」の場所。一方、ホームセンターやモールは、月に一度行くかどうかの「非日常」の場所です。同じ千人が来店しても、その意味はまったく違う。日常の買い物に来た人は財布のひもが固いけれど、わざわざ車で出かける非日常の場所では、つい財布がゆるむ。「テーマパークに行くと、普段なら払わない金額の食事も当たり前に払ってしまいますよね。あの感覚に近いんです」という趣旨の例えに、会場が大きくうなずいていました。

さらにホームセンターやモールには食品売り場がない。だから「いい匂いがする食べ物」の存在感が際立ち、通りがかりに惹かれて買っていくお客さまが多い。来店の「頻度」「客層」「財布の感覚」——この3つがそろって違うからこそ、同じ来店数でも売上の景色がまるで変わるのです。今では出店の多くがホームセンター・モール系だといいます。😊

ここから何を学べるか

これは立地戦略であると同時に、「誰に、どんな気分のときに買ってもらうか」という顧客設計の話でもあります。同じ商品でも、お客さまが「日常モード」か「非日常モード」かで、感じる価値も単価も変わる。立地そのものが生み出す「気分」を読み解くことが、単価や継続性を左右するのだと気づかされました。

哲学は「頑張らなくても、売れる仕組み」

ここまでの話を貫く、亀原社長の経営哲学が、この一言に凝縮されていました。

  • 「頑張れば売れる」ではなく、「頑張らなくても売れる仕組み・立地」を作る
  • 頑張るのは、みんな頑張れる。まず頑張らなくても売れる土台があってこそ、頑張った分がさらに上乗せになる
  • 誰がやっても無理なく売れる仕組みこそが、長続きの鍵

「ビジネスモデルは、誰がやっても簡単に売れるものを仕組みとして持っておかないと、長くは続かない」。テーマである「10年続く飲食店経営」に、これほどまっすぐ刺さる言葉はありませんでした。気合や根性ではなく、再現できる「設計」で勝つ。会場の経営者の皆さんにとって、思わずメモを取る大きなヒントになったはずです。

ここから何を学べるか

「頑張らなくても売れる」の本当の意味は、「特定の誰かのスーパーマンぶりに頼らない」ということです。エースの店長がいなくなった途端に傾く店は、長くは続きません。立地・業態・オペレーションという「仕組み」で平均点を底上げしておけば、誰が現場に立っても一定の成果が出る。自店の売上は「人の頑張り」と「仕組み」、どちらに支えられているか——問い直してみる価値があります。

超小型・専門店の強み ——「絞り込む」勇気

続いて語られたのが、超小型の専門店という戦い方です。松本駅前に出した、わずか数坪の極小の立ち飲み店。たこ焼きとハイボールに思い切って絞り込み、客単価を抑えて回転で稼ぐ設計にしたといいます。最初は厳しかった売上が、数か月で大きく伸びたという手応えのあるエピソードもありました。

「客単価4,000円を取ろうとすると、店の雰囲気も、料理も、おもてなしも、すべてが必要になる。でも客単価1,000円でいいと割り切れば、立ち飲みでいい、品数も絞っていい」。お客さまにはたこ焼きとハイボールを軽く楽しんで、さっと帰ってもらう。その代わり回転を上げて客数で売上をつくる——。発想がラーメン店に近い、という趣旨の話もありました。

「再現性」というもう一つの武器

この超小型・専門店モデルのすごみは、売上効率だけでなく「再現性」にあります。たこ焼きという一つの技術さえ覚えれば、厨房も人員も最小で済み、誰でも出店できる。カウンターだけだからホールスタッフもほぼ要らない。だからこそ、フランチャイズや独立のかたちで、同じ業態を全国に広げていけたのです。「誰がやっても、同じように成り立つ」——これこそ亀原社長が一貫して追い求めてきたものでした。

ここから何を学べるか

メニューを増やすことは、安心材料に見えて、実は「店を複雑にし、再現を難しくする」一面があります。思い切って絞り込めば、オペレーションはシンプルになり、教育も早く、出店もしやすくなる。「何を足すか」ではなく「何をやめるか」から考える。多店舗を見据えるなら、この引き算の勇気が効いてきます。

そしてこの効率重視のモデルは、コロナ禍でも底力を見せました。店内営業が難しい局面でも、もともと持ち帰りと相性のよいたこ焼きは、テイクアウトに切り替えて売上を作れた。なかには、テイクアウトだけで大きな売上を立てた店舗もあったそうです。「店も、スタッフも、すでにそろっている。だったらやろう、と」。いざというときに売り方を切り替えられる柔軟さを業態に組み込んでおくことが、危機の備えになる——。逆風のときにこそ業態の本当の強さが試される、という現場のリアルがありました。

「横丁」という、食のテーマパーク

勉強会の会場の様子
会場は熱気いっぱい。皆さん前のめりで耳を傾けていました。

もう一つ、強く印象に残ったのが「横丁」業態です。小さな専門店をいくつも集めて、一つの「食のテーマパーク」をつくるという発想。亀原社長は、これを「食堂のディズニーランド」と表現されていました。同じ乗り物ばかりでは飽きてしまう。いろいろあるから一日いられる——。横丁も同じで、専門店が並んでいるからこそ、お客さまは一軒目、二軒目、三軒目と「回遊」してくれるのです。

絞り込みこそ、専門店の「本気度」

横丁で亀原社長がオーナーたちに求めたのが、徹底した「絞り込み」でした。品数を思い切って絞り、お通しや余計なものをなくす。「焼き鳥なら、ねぎまは一本でいい。二本目が欲しければ、隣の店へ行けばいい」というくらい、潔く尖らせる。「10割そばのお店に入ったのに『うどんもありますよ』と言われたら、なんだか興ざめしますよね。専門店は、いかに本気度を見せられるかが大事なんです」という趣旨の言葉が、とても分かりやすかったです。

一軒一軒が小さく尖っているからこそ、お客さまは一軒で1,500円ほどを使い、三軒回って楽しむ。それぞれの店で「専門店ならでは」の一品を味わえるから、満足度も高くなる——。絞り込みは「我慢」ではなく、お客さまの体験価値を高める「戦略」なのだと教わりました。

料理は「温度」と「スピード」、そして「会話」

そして料理で大切にしているのが、「温度」と「提供スピード」です。熱いものは、とにかく熱いうちに。ハイボールは氷をたっぷり詰めて、最初のひと口がしっかり冷えているように。「品数を絞っているからこそ、すぐ熱々で出せる」というのは、まさに専門店の強み。たこ焼きも、ラーメンも、熱いからこそおいしい——。当たり前のようでいて、絞り込んだ専門店だからこそ徹底できる、というお話でした。

さらに横丁では、カウンター中心の席づくりでスタッフとお客さま、お客さま同士の「会話」が生まれるよう設計しているといいます。専門店だからこそ、つくり手と話しながら食べると、より一層おいしく感じられる——。効率を追い続けてきた経営者の口から「会話」「人とのつながり」という言葉が出てくるところに、亀原社長の経営の奥行きを感じました。😊

ここから何を学べるか

横丁の話は、一店舗の経営者にも大きなヒントがあります。「絞り込むほど、専門性が際立ち、満足度が上がる」。そして、どんなに効率を突き詰めても、最後に効いてくるのは「熱々で出すこと」「会話があること」という人間らしい基本。仕組みで土台をつくり、その上に人の温かさを乗せる——この両輪が、亀原社長の強さの正体です。

人と組織 ——「地域に、社長を生み出す」

亀原社長のお話で、ひときわ会場を惹きつけたのが「人と組織」のお話でした。多店舗を続けるうえで、最大の壁はいつも「人」だからです。

かめやGroupでは、アルバイトとして入った人が、まず技術を覚え、次に「商売人」になり、やがて社員になる。そして社員になってしばらくすると、亀原社長は本人にこう問いかけるそうです。「幹部になりたいのか、それとも独立したいのか」。独立を志す人には、直営店を業務委託やのれん分けのかたちで任せていく。本部は軽くしておき、地域に経営者(社長)を次々と生み出していく——。これが、かめやGroupの組織の根っこにある考え方です。

なぜ「直営」より「独立」を後押しするのか

直営で持ち続けたほうが利益率は良さそうに思えます。それでも亀原社長が独立を後押しするのには、明確な理由がありました。「もともと社員だった人なら、信頼関係がすでにできている。そして『自分の店になる』と思えば、目の前のお客さまをもっと大事にする。もう一度来てほしいと、本気で思うようになる」。自分ごとになった瞬間に、人は商売人から経営者へ変わる。本部が遠隔で大勢をコントロールし続けるより、現場を任せて社長を育てたほうが、結果的にグループ全体も伸びていく——という趣旨のお話でした。

育ったオーナーのなかには、複数店舗を任され、自らも人を雇い、税を納め、地域に貢献していく人が出てくる。「地域に社長を生み出すことが、いちばんの地域貢献になる」。この言葉に、亀原社長の経営観がくっきりと表れていました。

ここから何を学べるか

多店舗化でつまずく多くの原因は、「すべてを自分でコントロールしようとすること」にあります。亀原社長は逆に、「任せて、社長を育てる」ことで規模を広げてきました。信頼関係を土台にした業務委託やのれん分けで、人を“自分ごと”にする仕組みを用意できるか——ここが、一店舗の壁を越えるときの決定的な分かれ目になります。

戦略的なM&A ——「価値をつけて、渡す」経営

そして、もっとも示唆に富んでいたのが、戦略的なM&Aのお話です。これは、多くの経営者にとって新鮮な驚きだったと思います。

亀原社長のもとで育った主力オーナーが、やがて「この事業を、自分が買いたい」と自ら手を挙げる。実際に亀原社長は、主力業態のひとつを、もっとも活躍していたオーナーへ引き継がれた(売却された)といいます。育てた人が、価値ある事業を喜んで引き受けてくれる——こんなにありがたい引き継ぎはありません。

「売るつもりで作る」という発想

驚いたのは、亀原社長が「もともと売るつもりで会社を組み立てている」と語られたことです。だからこそ、本部は荷物にならないよう、できるだけ軽くしておく。事業を「価値をつけて引き継ぐ」ことを前提に設計しておけば、育ったオーナーに渡すときも、社外の意欲ある企業に渡すときも、しっかり価値が認められる。「加盟して文句を言われるより、事業を伸ばして『買います』と言ってもらえる方が、ずっとありがたい」という趣旨の言葉が、とても印象的でした。

育てた人に価値ある事業を手渡し、引き継いだ側はさらに伸ばし、渡した側はその対価を次の挑戦に回す。「価値をつけて、渡す」——これもまた、長く続く経営のかたちなのだと教わりました。😊

ここから何を学べるか

多くの経営者は「いかに自分で持ち続けるか」を考えます。けれど亀原社長は、最初から「いかに価値をつけて渡すか」を見据えて経営していました。出口を意識して事業を磨くと、組織はおのずと「軽く・強く・引き継ぎやすく」なります。自分の店や事業は、第三者から見て「価値ある状態」になっているか——その視点だけでも、日々の経営判断が変わってきます。

失敗から学んだ「自分たちの強み」

ここまで聞くと順風満帆に思えますが、亀原社長ご自身が「数えきれないほど失敗してきた」と率直に語ってくださったのが、とても印象的でした。

物販の出店も、その多くを移動・撤退している。一時は「飲食店もやりたい」と本業を離れ、ラーメン、鶏料理、お好み焼き、カレー、カフェなど、いくつもの飲食業態に挑戦したそうです。けれど、これがうまくいかず、大きな授業料を払うことになりました。

その失敗を通じて、亀原社長は大切なことに気づきます。「自分たちの本当の強みは、効率を追ったビジネスモデルにある」ということ。物販の接客は数分で済むけれど、座って食べる飲食店は、お客さまに長い時間、心地よく過ごしてもらわなければならない。それは得意分野ではなかった——。そう見極めて本業に立ち返り、強みを活かした業態へ磨き直したことが、後の成功につながったのです。

「失敗が失敗にならないようなモデルづくりをしている」。たくさん挑戦すれば、その多くは失敗する。けれど、やり直せる身軽さを保ち、そこから学びを抜き出して次の仕組みに変えていく——。挑戦し続けることの大切さを、亀原社長はご自身の歩みで示してくださいました。😊

ここから何を学べるか

失敗は、避けるものではなく「自分たちの強みと弱みを教えてくれる教材」です。大切なのは、致命傷にならないかたちで挑戦し、結果を冷静に振り返ること。「合わなかった」を恥じるのではなく、そこから「では自分たちは何が得意なのか」を掘り当てる。亀原社長の歩みは、その姿勢そのものでした。

これからの時代に、飲食店が持つ「価値」

勉強会の終盤、AIやDXが進むこれからの時代についても語ってくださいました。「30年以上やってきて、変えたところと、変えないところは?」という問いに、亀原社長が「いちばん大事にしていて、ずっと変えていないこと」として挙げられたのが、「目の前のお客さまを、笑顔でお返しすること」でした。

「AIの時代になるほど、人と人がリアルに触れ合える場は減っていく。だからこそ、会話ができて、覚えてもらえて、顔なじみになれる飲食店の価値は、むしろこれから上がっていく」という趣旨のお話。常連さんと「いつもので?」と交わすやりとり、好みを覚えてもらえる嬉しさ——そういう人間らしい温かさこそ、これからの飲食店の強みになる、と。

効率を徹底的に突き詰めてきた経営者の口から、最後に「人の温かさ」という言葉が出てくる。仕組みで土台をつくり、その上に人の温かさを乗せる——。地方発で長く成長を続けてこられた理由が、ここに集約されているように思います。

「地方発」であることの、本当の意味

今回のテーマは「地方発・多店舗展開」でした。聞いていて感じたのは、亀原社長の戦い方は決して「地方だから不利」を嘆くものではない、ということです。人口が多くない地域だからこそ、立地を読み切る。家賃を抑えられる超小型店で勝負する。地域の人に通ってもらえる横丁をつくる。そして、地域に社長を生み出していく——。地方ならではの条件を、そのまま強みに変えていく発想が随所にありました。「身軽に」「再現できる仕組みで」「人を社長に育てる」。この三つは、地方・都市を問わず、規模の大小も問わず、それぞれのお店にきっと活かしていただけるはずです。😊

懇親会まで、大盛況 ——新宿「モーモーパラダイス歌舞伎町本店」へ

モーモーパラダイス歌舞伎町本店が入るビル
懇親会の会場、新宿・歌舞伎町の「モーモーパラダイス歌舞伎町本店」へ。
モーモーパラダイス歌舞伎町本店のしゃぶしゃぶ
モーモーパラダイス歌舞伎町本店のしゃぶしゃぶ
モーモーパラダイス歌舞伎町本店のしゃぶしゃぶ

懇親会は新宿・歌舞伎町のしゃぶしゃぶ食べ放題「モーモーパラダイス歌舞伎町本店」で🍲

勉強会のあとは、場所を移して懇親会へ。会場は新宿・歌舞伎町のしゃぶしゃぶ・すき焼き食べ放題「モーモーパラダイス歌舞伎町本店」です。😊

セミナーの熱がそのまま続くように、業態や立場を越えた相談や名刺交換が止まらず、新しいご縁がいくつも生まれていました。亀原社長を囲んで、自分が抱えている課題を直接ぶつける方も多く、あたたかい湯気の向こうで笑い声と本音が飛び交う時間に。「うちの立地ではどうだろう」「この業態なら絞り込めるかもしれない」——勉強会の学びを、もう自分の店に当てはめて語り合う姿が、あちこちで見られました。

こうして第2回も、最後まで大盛況のうちに幕を閉じました。「10年続く飲食店経営」を、これからもみんなで一緒に。次回の月例会も、さらに学びの多い時間にできるよう準備を進めてまいります。どうぞお楽しみに。😊

そして、めったに表に出られないなか、貴重なお話を惜しみなく分かち合ってくださった亀原社長に、心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

▶ 登壇いただいたゲストの企業情報
かめやGroup(代表取締役 亀原利彦 社長)

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